へうげもの 概要
へうげものは、『出世』と『物』、2つの【欲】の間で日々葛藤と悶絶を繰り返す戦国武将【古田織部】の物語である。茶道や茶器、美術や建築など、戦国時代に花開いた「美」や「数奇」からスポットライトをあてて同時代を切り取った作品。
へうげもの 今回のあらすじ
豊臣秀吉は大茶会を開き、千利休に変わる茶頭を決めようとする。千利休はこのような大茶会は意にそぐわず、古田織部は数寄者の天下をとろうと躍起になる。しかし、秀長の計らいにより、茶頭の交代はなく、茶頭は千利休のままとなった。織部は千利休から未熟者と評され、思い悩むもであった。
千利休は、一命を賭して、わびの美を世に広めることができないとへち貫に言われ、自問するが、突然の来訪でわびの美で持て成されることを受けて、自分の行いは間違いではないと思うが、それはあらかじめ知っていてのもてなしで、似非わび茶人をつくっているだけなのだと痛感させられる。
織部に未熟者と評したが自身もそうであると、織部に認めた千利休。
へうげもの 今回の感想
命を賭してやってきたことが、まがい物、似非のわび茶人を生んだだけというのはあまりにも哀しいことだと思うが、山内宗二(○んでしまうので後世には残せないけど)や古田織部(まだ発展途上だけど)などに多大な影響を与え、本当のわび茶人を生んだということを素晴らしいことだと思う。自分で知っている限りで一人もいないとなるとあまりにも絶望だけど。
美に対する造詣が同等レベルでなければ、ただの猿真似で終わり本当のわび茶人が誕生しない。なので弟子など以外は必然的に似非になる。弟子以外でもそのような人々を生み出したのであれば、千利休の茶頭という立場では無理だろう。信長や秀吉の立場で、下々の者を自由にさせられる度量がなければ無理な話だ。
堺の商人という出生から茶頭まで上り詰めたのは大変なことだが、そこに武力も持ち合わせないと無理だったんじゃないかな。もしくは、千利休が何をいっても100%受け入れる武将が。信長や秀吉ではダメだった。侘びがわかってなかったわけだから。それを教えられなかったのも敗因だろう。