悶絶するゲバラ。
その間に、一歩は、ステップイン。
入った瞬間に新型デンプシーロールが発動する。見てるものは誰もがそう思った。
ゲバラの渾身の右フックをかいくぐりインファイトに持ち込んだ一歩。
ゲバラのセコンドもタオルを投げようとする。
しかし、倒れたのは一歩だった。
転倒する一歩。
先程の、スリップかと落胆する観客。
レフェリーは、カウントをとりはじめる。
一歩がダウンしたことに観客は悲鳴をあげる。
城内がブーイングに包まれる。
一歩は立ち上がり、ファイティングポーズをとる。
板垣もスリップなのにダウンをとったことに抗議しようというも、抗議はしない。足が絡む前に右フックがわずかに触れていたことをレフェリーも鴨川会長も見逃さなかった。
ゲバラのセコンドは、この機会に深呼吸をしろとゲバラに指示する。
ゲバラが我に返ったときには、一歩が突進してきていた。
ゲバラは右ジャブの弾幕をはるも、一歩は強引に突進する。
一歩は、怒っていた。
一歩は、右のロングフックをゲバラのガードごとヒットさせ、ゲバラをコーナーへと追いやる。
コーナーに追い詰めたゲバラを追いかける一歩。