食の軍師 4話感想 寿司の食べ方の順番、注文の仕方

食の軍師

(食の軍師より引用)

食の軍師 概要

主人公である「本郷」は、人一倍食事にこだわる中年男。自らの内なる「軍師」の助言に従って、種々の飲食店を食べ歩いては、完璧なる食の組み立てを追い求めている。そして彼の目の前に、ライバルとなる「力石」が立ちふさがる。

食の軍師 今回のあらすじ

今日は寿司。頑張った自分へのご褒美。寿司屋を前にすると緊張する本郷。意を決して入店する。客はひとりもおらず、店主はごりごりの頑固者そう。本郷は出されたおしぼりで顔を拭き、その幸せに浸っている間もなく、店主が外套をかけるところを教えてくれる。本郷の落ち度を先に指摘され、寿司を「食う」から「食べさせてもらう」という主従逆転してしまうことになると危惧する。注文の下手をうてば、店主から素人と舐められるのではないかとビビる本郷。

本郷は考えた、最初の一品を大トロにすれば田舎からでてきたお上りさんに見えるし、コハダにすれば江戸前を気取ったやつになる。かといってカッパ巻きにすればへりくだりすぎる。玉子にすればお子様だし、赤貝だと考え過ぎだし、と考えれば考えるほど決められない本郷。

そんなときは、1人前の値段である松竹梅の高い方の松を選べば良いことに気づき、本郷は注文する。

松寿司は、エビ、コハダ、大トロ、金目鯛、玉子、赤貝、イカ、ウニ、穴子の9貫。最初は味の薄い白身から行くのが定石だが、それこそマニュアル人間だと思われかねない。1人前を頼んでもなお初手に悩む本郷。

そこから本郷は、エビを初手として、大トロ、赤貝などの大物を食べ、あとは丁寧に食べて最後に穴子を食べる「先行逃げ切りの計」にするか、最初は小物を食べてから後半から大物を楽しむ「花火大会の計」にするか悩む。本郷は先行逃げ切りの計にし、エビを一口食べる。

その美味しさに目を見開く本郷。茹でエビは、高度成長に人気のなくなったバナナになぞらえて、寿司界のバナナと言われている。エビといえば、甘エビやボタンエビが人気が高い。松であえて茹でエビを使ってくるという店主の店の腕の高さを見せつけられるということだ。本郷は、そんな店主の主張に蹴落とされる。

本郷は、大トロ、ウニ、赤貝を食べ、あまりの旨さに衝撃を受ける。イカでゼロ地点に戻ろうとするもイカの美味しさに目が覚める。

その時、店に客が入店する。その客は力石だった。力石は店主に会釈すると同時に、本郷とも目が合い、会釈をする二人。本郷と数席離れて座る力石。そして、力石はまず酒を頼む。それに「しまった」と思う本郷。酒を頼むのを忘れるほどに舞い上がっていたと。

本郷は息を呑んで、力石の初手をうかがう。力石は店主に「今日のおすすめ」を聞く。本郷はしてやられる。店主はのどぐろの良いのが入っているというと力石は、店主のおすすめを素直に注文する。店主は、握りでつまみでと聞くと、力石はつまみで注文し、店主はにやりとする。本郷は強面の店主の笑った顔を引き出した力石が憎かった。

力石は、刺身で出てきたのどぐろを食べて、素直に「美味しい」と評すと店主も「そうでしょう」と返す。熱燗も美味しいと力石。店主は、春といってもまだ寒いですからね。と。力石は、茶碗蒸しは作れるかと聞くと、店主はお時間かかりますができますと。そんな職人とのやりとりを楽しむのが江戸前寿司の真骨頂。悔しがる本郷。

店主は、力石にマグロの釜焼きをおすすめする。ポン酢と大根おろしで食べてもらいたいと。力石は素直に店主のおすすめをお願いする。店主は2度目の笑顔で応える。本郷は悔しくて悔しくてたまらない。

本郷は、はやく絶妙な質問で店主の心を掴まねばと焦る。そこで出てきた言葉が「何が旬でしょうか」。強面が近づいてくる。ダメだったかと思った本郷だったが、店主は、イサキが旬で、昆布締めがあるという。握りましょうかと聞かれたので二つ返事で応えた。店主は笑顔で応えた。本郷は嬉しくなる。

昆布締めは、昆布が素材の水分を吸い、身を引き締め、グルタミン酸をうつすことで新たな旨味を生み出す料理法。美味しいイサキの昆布締めを食べて、にやりと力石を見る本郷。力石は、店主にハマグリはあるかと聞くと、ハマグリも旬だねと返事をする店主。力石は握りで注文する。それを聞いた本郷は「策に溺れたな」と嘲笑う。ハマグリの握りには甘いタレをつける。ハマグリの握りは美味しいかもしれないが、その味の濃いものを食べたら次が難しくなると考える本郷。タレの余韻で何を食べても味が台無しになると考える本郷。

その時、先ほど注文した茶碗蒸しがやってくる。してやられた本郷。これで舌はリセットされる。次、大技を出されたらと不安になる本郷。力石は、穴子を塩で注文する。店主は白焼きもできるというとそれにしてくれと応える。本郷は、苦し紛れに残っていた握りを一気に口に頬張り、胸がつっかえる。そして、カルフォルニア巻きを注文して店主の「やってません」を食らってしまう。

食の軍師 今回の感想

最初にカッパ巻きを注文した時の装いが、頭にグラサンかけて、肩にセーター
みたいなものをかけて、まさにテレビのプロデューサー的な感じだったけど、プロデューサーてカッパ巻きでへりくだるのかな。「俺、テレビマンだぞ」てむしろ高いネタ連発しそうだけど。テレビ番組として、プロデューサーとして世間体を下方修正させるためのテレビ局側の策謀なのだろうか。

テレビを見ていると3歳の娘が本郷の食べる姿を大ウケ。顔芸に大テンションの娘。つまり、この番組の楽しみの一つとしての画の演出は、3歳児が喜ぶレベルということだと思う。でもこのような演出は昔からあるから、テレビは昔から3歳児が喜ぶレベルを大人向け番組としてやっているということだろうね。

食にこだわりをみせている割には、寿司の食べ方は、ネタが先に舌につくようにネタが下、シャリが上という形で口に運ぶことをしていないのはどうなんだろう。

それと、美味しい寿司屋は、一人前を頼んでも一気にどんと出さない。客の食べるリズムで1貫1貫出してくれる。そして、その出すタイミングが本当に絶妙。客の食べるスピードを、客が決めている自然なスピードなのに、ネタやシャリがしっとりとしている状態で口に運ぶタイミングで握る。おっと、こんなことをいうと本郷からすれば、江戸前気取り的な人間になってしまうのか。でも、本当に美味しい店に出会った時は大体上記の条件が揃っていた。というか、何かを気取るとか気にすることすらなかった寿司屋だった。寿司本来の楽しみを味わえた店だった。

そう考えると、本郷の楽しみ方は、味以上に楽しみたいという現れなのか。

のどぐろは脂がのった魚。寿司よりも刺身のほうが合う。もっというと本当は焼きのほうが合う魚。それを見切った客に店主はにやりとした。

寿司屋は店の人に、旬やおすすめを聞いて素直にそれを注文するのは良い手。職人のほうが詳しいし、ましてはその日に入っている素材の鮮度や脂がのっているのがどれかを知るのも店側なのでおすすめを注文するのは正解。ただし、前提条件として、良い店での話。そうでなければ、その時、旬のものでも利幅が高いものや在庫が多いものを言われることになる。


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